はじめての障害児教育・支援速修ブログ

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仕事を続けるために③誰でもできる発達段階の把握

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 発達検査をして何歳何ケ月という発達年令を正確に出すためには高価な器具と、一定期間の講習が必要です。しかし、私たちがすぐにでも知りたいのは、担当している子どもたちは、今どんなことを吸収する時期なのか、すなわち、その子が住んでいる世界です。教育は、子どもの発達にとって必要な時期に子どもが吸収可能なことを学べるようにする仕事です。だから、教育・支援の現場では、凹凸の大きい障害児の発達を平均化した数値である何歳何ケ月という発達年令よりも、大きく「今、子どもは、どの世界にいるのか」がわかる「発達段階」(発達の質)を把握していたほうが便利なのです。

 

 実際のところ、教育・支援活動の内容を決めていくのには、これで充分です。「どの世界に」到達しているかがわかったら、「何をしたらいいのか」「どんな活動が必要なのか」が、保護者や職場のひとたちと共有できることになるからです。(段階の特定⇒課題の設定については、後述)

 

 で、とりあえず発達の階層、「発達段階」なら誰でもわかる方法があるんです。器具不要、質問するだけです。

 こんな感じです。

 お話ができている子でしたら聞いてみてください。

 「もし、学校へ・・・・」

 

 結果をメモしておけば、どの段階かすぐわかります。全問正解する必要せありません。ひとつでも正解なら、その段階への到達とみなします。もう、同じ段階の問題ならやがて正解となるポテンシャルが存在しているからです。ひとり5分もあれば充分ですから、ゆとりの時間がとれる日があったら1日でクラス全員の段階がわかります。

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【出典・参考文献】

検査項目~監修島津峯眞編集者代表生澤雅夫「新版K式発達検査法」~発達検査の考え方と使い方~.出版:ナカニシヤ



お役立ち情報

①微妙でわかりにくケ-スがあったら、少し高いけど下記出典を購入し、「再質問」または、当該年令期の他項目も実施して判断してください。

 

新版K式発達検査法―発達検査の考え方と使い方

 

③心理職・発達相談に関わっている人のための発達診断方法講座は、コチラ ↓