仕事を続けるために④「障害児にまず必要となる普通教育ってどんなん?」
発達の段階がわかれば、もう、ご近所の保育所や幼稚園、小学校を訪問してきくことができたらOKです。
あなたが担当している子と同じ段階の子にしている保育・教育の内容を教えてもらえばいいのですから・・・。
それをヒントに授業や活動を組みたてることができます。
えっ?行きにくい?
そうですね。いきなり行くと卒園者、卒業生であっても、不審者とまちがわれたりしまよね。
いやいや、それはわかるけど・・・・。
「とてもじゃないが、近所の保育所・幼稚園、小学校行く時間ないわ!」
「このクソ忙しいのに図書館、何日もかけて通えるか」「出勤だけで、くたくたや、いいかげんにしろ!」
とか、お叱りを受けますよね。
なので、私が作成したものを資料として、以下提供。参考にしてください。
*太矢印は、発達段階内の難易度巾 →は、獲得した力の多様な展開 例)は、目安となる教材や活動
*例)の出典は上記のとおりです。出典元から段階(発達年齢)ごとの多様な実践が入手できます。
仕事を続けるために③誰でもできる発達段階の把握
発達検査をして何歳何ケ月という発達年令を正確に出すためには高価な器具と、一定期間の講習が必要です。しかし、私たちがすぐにでも知りたいのは、担当している子どもたちは、今どんなことを吸収する時期なのか、すなわち、その子が住んでいる世界です。教育は、子どもの発達にとって必要な時期に子どもが吸収可能なことを学べるようにする仕事です。だから、教育・支援の現場では、凹凸の大きい障害児の発達を平均化した数値である何歳何ケ月という発達年令よりも、大きく「今、子どもは、どの世界にいるのか」がわかる「発達段階」(発達の質)を把握していたほうが便利なのです。
実際のところ、教育・支援活動の内容を決めていくのには、これで充分です。「どの世界に」到達しているかがわかったら、「何をしたらいいのか」「どんな活動が必要なのか」が、保護者や職場のひとたちと共有できることになるからです。(段階の特定⇒課題の設定については、後述)
で、とりあえず発達の階層、「発達段階」なら誰でもわかる方法があるんです。器具不要、質問するだけです。
こんな感じです。
お話ができている子でしたら聞いてみてください。
「もし、学校へ・・・・」
結果をメモしておけば、どの段階かすぐわかります。全問正解する必要せありません。ひとつでも正解なら、その段階への到達とみなします。もう、同じ段階の問題ならやがて正解となるポテンシャルが存在しているからです。ひとり5分もあれば充分ですから、ゆとりの時間がとれる日があったら1日でクラス全員の段階がわかります。
【出典・参考文献】
検査項目~監修島津峯眞編集者代表生澤雅夫「新版K式発達検査法」~発達検査の考え方と使い方~.出版:ナカニシヤ
お役立ち情報
①微妙でわかりにくケ-スがあったら、少し高いけど下記出典を購入し、「再質問」または、当該年令期の他項目も実施して判断してください。
③心理職・発達相談に関わっている人のための発達診断方法講座は、コチラ ↓
仕事を続けるために➁何をしていいかいいかわからないとき?「うちのオカンに聞いたろ」
あなたは、もう「障害児もそうでない子も基本的に同じすじ道を通って発達する」ということを知っています。だから何をしていいかわからない時は、障害児であっても誰もが受けてきた普通の教育でOKなんです。んっ?誰もが受けてきた?それって、「ボク」も受けてきたやつか?
「よっしゃ、うちのオカンが生きてるうちにきいたろ」
それでもいいのですが、一番確かなのは、保育所や幼稚園、小学校の先生に聞くのが一番です。で、あなたが運良く、そんなツテがあってとりあえず、ご近所の保育所や幼稚園を訪問したとします。
そしたらきっと聞かれます。
「何歳児の活動内容が知りたいですか?」
ええっ~!!
そうなんです。人間は、いくらビフテキに栄養があるからといって、乳児にビフテキは与えません。1歳児には1歳児の2歳児には2歳児の4歳児には、4歳児の保育内容があるのです。
「ど、どないしょ・・。担当の~君、何歳くらいの段階やろ、皆目検討つかん。では、またっ」となってしまいます。
結論-障害児にまずもって必要となる誰もが受けてきた普通の教育を保障するためには、発達の質が変化する時期で区切られる「発達段階」を把握しておくほうが便利なのです。
(続く)
仕事を続けるために①
#障害児 母親が大学の先生の所へ発達相談に「うちの子、今下痢しるんですよ」大学の先生「よかったですね。アレがつまると大変ですよ」こんな小話を昔、聞いたことがある。きっと、子どものいい所を見つけられる人は障害児の仕事に向いている。
— 発達&実践研究企画 (@BoJfvmRKTFgKHNN) 2021年4月7日
家だって土台が歪むと家が建たなくなります。なので、やっぱり第1ボタンが大事。
はじめて学校や福祉関係で障害児の仕事についた人たち。めちゃくちゃ不安やと思います。気持ちはわかります。しかし、ひとつだけ忘れたらあかん第1ボタンがあります。目の前の障害児は、私たちが支援する対象ですが、私と同じ時代を生きている仲間であるという、子どもについての対等・平等の見方です。どんな障害の重い子でも、どんなに奇抜な行動をする子も同じ人間という見方。この第1ボタンがズレると、色々、うまいこといかなくなって、子どもも、自分自身もだんだんしんどくなってきます。逆にこのボタンがちゃんと、とまっていたら大丈夫です。なぜなら、誰もが人として「長所もあれば、短所もある」「それがあたり前」と子どもに接することができるからです。だから、第1ボタンがしっかりしている人は、どんな子であっても、その子のいいところを見つけようと努力します。
第1ボタンがちゃんととまっている人は、次の主張もすんなり理解できるはずです。
「障害児もそうでない子も基本的に同じすじ道を通って発達する」(福祉の父 糸賀一雄)
実際のところ、ここでいう「基本的に同じ」が、自分のものにならないと、何をするか、どんな援助が必要か考える際の最初の手がかり失うことになります。
でも、これって今の時代、当たり前のことちゃう?
ところが、そうでない時代もあって、昔は「異常児の教育」とか「異常児心理」とかいわれていたのです。
そんな時代にあって、糸賀一雄は、自分の思いだけで「基本的同じ」といったのではありません。そこには、ちゃんとした障害児の発達を研究した結果、すなわち、理論的な根拠があったのです。
えっ、どんな根拠?
それは、このブログでおいおいわかります。
結論=もう一度繰り返します。子どものいいところをみつけけることが得意なあなたは、きっと障害児の仕事に向いていています。もし、あなたがこの仕事を続けるかどうゆらいでいるようでしたら、どうか、子どもの声を聞いてください。
「あなたに巡りあえて、私はしあわせです。なぜなら、あなたは、私のいいところをみつけてくれる大切な人だから・・」