仕事を続けるために⑦動画資料ご案内「あの子は、どの階層のどの段階にいるのか~それを知る方法」
資料提供
働く人たちに、もっと、やさしく!ただいま、公開中動画のご案内です。
【概要】
障害児の保育・教育・支援の仕事をするにあたって、目の前の子どものことを理解するためには、人間の発達のことを知ってその子がどのあたりにいて、どんなふうに回りを見て、物事をどんなふうに考える時期なのか知っておくほうがいろいろと便利です。
今回は、その子の階層と段階が、誰でもわかるように解説しています。
すき間時間で仕事に必要な知識をチョイ足ししていきましょう
アップずみ動画と今後のアップ予定動画(〇印はアップずみ)
〇8分でわかる 「あのこ子は、どの階層のどの段階にいるのか」
▲8分でわかる 「今、何が大切な時期なのか」
▲8分でわかる 「15年かけて『お母さん」』と呼びかけた少女」
~音がつくれる子の発話学習
▲8分でわかる 「自制心が育つ、たったふたつのこと~しんどくてもがんばる、何々だけどがまんする」心の誕生!
▲8分でわかる 「待たせない」学習の方法~発話学習、四つのポイント
▲8分でわかる 「15年かけて『お母さん』とよびかけた少女」
~ことばで伝える技術、学習の方法
▲8分でわかる「なんでもいや!」「がまんできない」をどうするか
▲8分でわかる 「会話できるようになっている子に大切なこと、NGなこと」
▲7分間の聞き流し講座 児童文学にみる「困った行動」~作家たちはこう見た」
▲8分でわかる 軽度障害児 支援のポイント。ここに注目!!
【今回動画の資料】
自然界の階層
人間の発達の階層
検査結果がメモできる検査票と正答例
【今回動画の出典・参考文献】
・監修島津峯眞編集者代表生澤雅夫「新版K式発達検査法」~発達検査の考え方と使い方~.出版:ナカニシヤ
・ 坂口秀・草野完也・末次大輔偏「階層構造の科学」東京大学出版会
【お役立ち情報】
①検査票の検査をしても、微妙でわかりにくケ-スがあったら、少し高いけど下記出典を購入し、「再質問」または、当該年令期の他項目も実施して判断してください。
➁階層と段階の理論に興味のある方はコチラ
https://sirayurinohana-2.hatenablog.com/?_ga=2.113628679.1810566652.1641749675-730235619.1641749675
③心理職・発達相談に関わっている人のための発達診断方法講座は、コチラ ↓
仕事を続けるために⑥「~~計画」の提出はこれでOK!~中心課題の設定
ここでは、忙しいあなたのために前述の5つの質問による発達検査から、学習活動の中心課題の設定ができるまでを一気にすすめていきます。これであなたは「~~計画」の提出をいつ求められも大丈夫です。
その前に中心課題の設定方法に正当性、合理性があるか説明が必要ですよね。障害児の教育は、多くの人たちとの共同作業ですから課題設定までのプロセスにみんなが納得できる根拠がないと、課題そのものも共有することができません。
私たちは、実践のなかで子どもたちから次のことを学びました。
1.音がつくれない子どもたち(段階表のことばの項目は「なし」)を対象にサイン言語の学習をはじめました。その時、どんどん獲得していくグル-プとなかなか獲得できないグル-プがいて、原因をさぐりました。そして次の結論にたどりつきました。サイン言語はことばをもたないすべての子どもたちに有効なのではなく、①一定の「言語理解」ができていながら、②「音声言語」が獲得されなかった子どもたちのコミュニケ-ション手段となり得る。また、「オ-ム返し」といわれている子どもたちのことばがコミュニケ-ション手段となるためにも、ことばの「理解」が前提でした。
私たちは彼らがすでに知っていた「こと」を「ことば」(サイン)で表現するための学習を組織したにすぎなかったことに実践の途中で気がついたのです。
私たちが実践の対象とした子どもたちは、14才になってもコミュニケ-ション手段としてのことばを獲得できていなかった子どもたちでしたから、彼らは私たちと出会うはるか前から、話せないけど一語文の「理解」には到達していて、ここでたたずんでいたことを示していました。14年間も、です。したがって、発達段階の把握は段階表にある「~ができる」を指標にするのでなく、「何を理解しているのか」を指標にしないと、子どもが持っている可能性を引き出せないことがわかりました。
2.では、いったい子どもは何才頃にどんなことを理解しているのでしょうか。たくさんの研究者がいろんなことを観察して記録に残していますが、いちばん確かなことは、すでに何千、何万人という子どもの長期にわたる検査で明らかになっているビッグデ-タ。そうです。すでに標準化(市販)されている発達検査の項目です。すでに標準化されている発達検査の項目は、子どもから学べるデ-タバンクなのです。
標準検査の中に「新版K式発達検査」(略称「K式検査」)というのがあります。Kは、京都の略。京都児童院(現在の京都市児童福祉センタ-)で開発されたビネ-式検査の改良版です。現在、多くの公的機関で活用されていますが、それには理由があって、発達年令0才からカバ-できるため知的障害児を理解するのに便利なのです。その中から段階の区切りとなる質的転換期年齢の初期に獲得される認識力(児童期は思考力)の測定項目を抜き出してメルクマ-ルとしました。認識とは、「物事をはっきりと理解」(金田一春彦他編・2017・学研現代新国語辞典)することです。可能な限り運動性、操作性が捨象され、子どもがすでに知っていること、理解していることを知るためです。
「K式検査」は、ビネ-、ゲゼル、ピアジェなどの発達理論をもとに作成されており、世界の研究者たちが子どもの発達を見る視点として発見し、これまで何千、何万人という子どもたちに検査を実施してもなお修正されずに生き残っている項目です。なので、発達の質がかわる年令には、前の時期とはちがう新しい質への移行がぴったわかる項目が見事に配置されているのです。したがって、発達検査の項目によってその段階を支配している質の特徴がわかります。
長い歴史を持ち、多くの公的期間が使用している検査の基準なら、誰もが納得できますよね。さて、簡易認識検査は、次のような内容でした。(過去ログから再掲載)質問だけでOK!この検査なら誰でもできます。
➊ 1.6才頃(幼児第1段階)
絵本を広げ「~は、どれ?」に対して「指さし」又は「ことば」で答えることがで きたら合格
➋ 4才頃(幼児第2段階)
(1)もしも、あなたが学校(職場・園)にでかける時に雨がふっていたらあなたはどうしますか
(2)もしも、あなたの家が、火事でもえているのをあなたが見つけたら、あなたはどうしますか
(3)もしも、あなたがどこかへ行こうとして、バスに乗り遅れたらあなたはどうしますか
ひとつでもできたら合格
❸ 6・7才頃幼児第3段階
「数を逆さまに数えます。20から1までを逆に数えてください。たとえば、23、22、21というように数えます。」「いいですか。では、20からどうぞ」
1誤だけなら合格
➍9・10才頃-児童第1段階
「私がこれからどこか似ている2つの物の名前を言います。そのふたつの物がどう似ているか、私に言ってください。」 「舟と自動車はどう似ていますか」
(1)舟と自動車
正答例(以下同じ)①乗物 ②運転(操縦)する ③全体を作る主な材料
(2)鉄と銀 ①鉱物、金属 ②重量(比重) ③固さ
(3)茶碗と皿 ①食器、陶器 ②食べ物の容器
ひとつでもできたら合格
❺12・13才頃-児童第2段階
「今から、どこか似ている物の名前を3ついいますから、その3つのどういうところがにているか教えてください」「蛇・牛・雀はどうにていますか」
(1)蛇・牛・雀
①動物、生物 ② 陸上に住む ③血液を持つ ④頭や目がある ⑤呼吸をする ⑥動きまわる
(2)本・先生・新聞 ①教育、知識、情報の源 ②教えてくれる
(3)ナイフ・鍵・針金 ①金属性 ②固いもの ③鉱物から作られている
(4)朝顔・芋・樹木 ①植物 ②葉や根がある
ひとつでもできたら合格
検査項目出典:監修島津峯眞編集者代表生澤雅夫(2003)「新版K式発達検査法」~発達検査の考え方と使い方~.出版:ナカニシヤ
3.子どもが理解できている世界がわかれば、その子に何が必要か、すなわち、その子の中心課題がすぐわかります。
続きを読む仕事を続けるために⑤「困った行動」(「行動障害」)へのアプロ-チ方法
私の経験からは、いわゆる「問題行動」といわれるものの中には、よくよく考えると、「問題ではない行動」が含まれていることがある。何か子どもの問題が気になった時、「本当にあの行動は問題なのか、何が問題なのか」自分に問いかけるクセをつけていたがいいと思う。
— 発達&実践研究企画 (@BoJfvmRKTFgKHNN) 2021年4月21日
本当に「問題」なのか、今一度考えてからアプロ-チについて考えます。
よく、いわれているように何年か経験すると「困った行動」という時、本当に困っていたのは、子ども自身だとわかることがあります。
「困った行動」(「行動障害」)に対して、私たちが実践してきたアプロ-チ方法は次のとおりです。後で具体例を紹介します。
名前( )
障害・行動の特徴( )
中心課題(発達)の段階( )
段階によって対応は、かわります。
アプロ-チの手順
1.現状(結果)~どんなことをどんな時に
2.理由(原因)~子どもの気持ちを推し量る
3.2へのとりくみ(仮説)
4.仮説の検証方法~軽減されているのか、悪化し
ているのか、かわらないのか、判断できる指標
をきめておく
5.結果
以下、具体例です。
自閉の子(高等部生・男子)のスク-ルバス「非常ベルへのこだわり」落ち着くまでの全記録です。どうぞ。
ある時、
なにげなく非常ベルを押した。
予想どおり大さわぎになった。
また、チャンスがあれば、実行したいと思った。
実行した。
新学期が始まり、しばらくたった頃です。スク-ルバスの中での指導を担当している介助員さんが、職員室の私たちの学年を尋ねてきました。
「実はB君のことなんですけど・・・・・・何とかしてください」
私たちの学年のB君(高等部生)が、スク-ルバスの走行中にバスの非常ベルに固執し、危険な状態が続いているというのです。介助員さんの一瞬のスキをついて鳴らしてしまうので防ぎようがないとのことでした。いきなりの大きな音で、ほかの子も騒ぎだし、車内はパニック状態。その上、B君が乗っている路線は、交通量の多い国道を走っています。大きなバスを左によせて、B君をベルから引き離し、ほかの子が落ち着くまでバスを停車させるのは、大きな事故になりかねないとの訴えでした。
「運転手さんからもきつく言われています」
そりゃ、そうですよね。非常ベルを鳴らしたまま走行していたら、バトカ-もついてきますね。
本気になってその子の気持ちになって考える、みんなでいろんな視点から考える。私たちが編み出した方法は、鉛筆を持ってとことん考えることでした。ひとり一枚のカ-ドに「なぜ、彼はそんなことをするのか」、子どもの気持ちを推測して、2~3行の文章にするのです。文章は、「ぼくは・・」からはじまるようにそこだけが印刷されています。
鉛筆を持ってB君の気持ちを推し量りながら、考え続けます。 そして、みんなのカ-ドが集まりました。次のようにB 君の「気持ち」(推測)が形になりました。もちろん、ひとりでつくりあげてもOKですよ。なんせ、「人間は、手で考える」のですから。
こんなことをすれば、先生に叱られる。
そんなこと、ぼくは百も承知だ。
しかし、ぼくは叱られるのがそんなに嫌いじゃない。
だから「ダメッ」っていわれることなら、ほんとのところ
なんでもいい。
したくなる。
自分のしたことで大さわぎになるのが好きだ。
ある時、
なにげなく非常ベルを押した。
予想どおり大さわぎになった。
また、チャンスがあれば、実行したいと思った。
実行した。
思いどおりにいった。
それからとういうもの、ぼくは、非常ベルが気になり出した。
バスに乗ったとたん、すぐに気になるのだ。
やめよう、やめよう、どうせ、止められる。
叱られるのがオチだとわかっていても、ついつい
手がのびる。
そして叱られる。
けど、バスに乗るとどうしようもなく、ぼくの気持ちは
ベルにむいてしまう。
いっそのこと、あのベルがなくなれば、ぼくの気持ちは
す~と、ラクになるのだが・・・・・・・・・
「えっ、ラクになる?」「ほんまか」「案外、そうかもしれない」
こうして、私たちの仮説が決まりました。
いっそ、非常ベルをなくせばいいのです。でも、そんなことしたら道交法違反で運転手が逮捕されますよね。どうしたものか。議論が続きました。早く結論を出さなければなりません。停車中に追突でもされたら大変です。多くの子がケガをするかもしれないのです。
バスの非常ベルをなくすることはできない→非常ベル除去の逆バ-ジョン→自分では外せないシ-トベルト着用はどうか→しかし、事実上の拘束はB君の人権を侵害することにならないか→いやいや、チャイルドシ-トやチャイルドロックは、人権侵害ではなく子どもの命を守るためにある→実際、立ち上がっている時、追突されたら彼自身大ケガを負う可能性がある。
「彼はいつでも外すことを要求できるわけだから」「彼が嫌がったら再検討」
B君の障害は、「自閉症」、発達の段階は「ことば獲得・拡大期」。けっきょく、嫌だったら自分で介助員さんに伝えることができることばを持っていることが決め手となって「やってみよう」という結論になったのです。その日のうちに、「いっそ、ベルがなくなったらぼくの気持ちはラクになる」・・・を忖度した仮説は、介助員さんと運転手さんに伝えられました。
結果、知りたいですか~。知りたいですよね。
はい、どうぞ!
結論からいうと、彼の「困った行動」は全面解決、すなわち非常ベルへの固執はなくなったのです。以下、介助員さんからの報告です。
1.彼は自分から二重ロックのかかったシ-トベル席につく。
2.スキを伺っているようすもない。
3.介助員さんがロックを忘れていると自分からロックをかけるように要求する。
すなわち、B君は、非常ベルが気になる状態から解放され、これで気持ちが「す~と、楽」になったのです。
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仕事を続けるために④「障害児にまず必要となる普通教育ってどんなん?」
発達の段階がわかれば、もう、ご近所の保育所や幼稚園、小学校を訪問してきくことができたらOKです。
あなたが担当している子と同じ段階の子にしている保育・教育の内容を教えてもらえばいいのですから・・・。
それをヒントに授業や活動を組みたてることができます。
えっ?行きにくい?
そうですね。いきなり行くと卒園者、卒業生であっても、不審者とまちがわれたりしまよね。
いやいや、それはわかるけど・・・・。
「とてもじゃないが、近所の保育所・幼稚園、小学校行く時間ないわ!」
「このクソ忙しいのに図書館、何日もかけて通えるか」「出勤だけで、くたくたや、いいかげんにしろ!」
とか、お叱りを受けますよね。
なので、私が作成したものを資料として、以下提供。参考にしてください。
*太矢印は、発達段階内の難易度巾 →は、獲得した力の多様な展開 例)は、目安となる教材や活動
*例)の出典は上記のとおりです。出典元から段階(発達年齢)ごとの多様な実践が入手できます。
仕事を続けるために③誰でもできる発達段階の把握
発達検査をして何歳何ケ月という発達年令を正確に出すためには高価な器具と、一定期間の講習が必要です。しかし、私たちがすぐにでも知りたいのは、担当している子どもたちは、今どんなことを吸収する時期なのか、すなわち、その子が住んでいる世界です。教育は、子どもの発達にとって必要な時期に子どもが吸収可能なことを学べるようにする仕事です。だから、教育・支援の現場では、凹凸の大きい障害児の発達を平均化した数値である何歳何ケ月という発達年令よりも、大きく「今、子どもは、どの世界にいるのか」がわかる「発達段階」(発達の質)を把握していたほうが便利なのです。
実際のところ、教育・支援活動の内容を決めていくのには、これで充分です。「どの世界に」到達しているかがわかったら、「何をしたらいいのか」「どんな活動が必要なのか」が、保護者や職場のひとたちと共有できることになるからです。(段階の特定⇒課題の設定については、後述)
で、とりあえず発達の階層、「発達段階」なら誰でもわかる方法があるんです。器具不要、質問するだけです。
こんな感じです。
お話ができている子でしたら聞いてみてください。
「もし、学校へ・・・・」
結果をメモしておけば、どの段階かすぐわかります。全問正解する必要せありません。ひとつでも正解なら、その段階への到達とみなします。もう、同じ段階の問題ならやがて正解となるポテンシャルが存在しているからです。ひとり5分もあれば充分ですから、ゆとりの時間がとれる日があったら1日でクラス全員の段階がわかります。
【出典・参考文献】
検査項目~監修島津峯眞編集者代表生澤雅夫「新版K式発達検査法」~発達検査の考え方と使い方~.出版:ナカニシヤ
お役立ち情報
①微妙でわかりにくケ-スがあったら、少し高いけど下記出典を購入し、「再質問」または、当該年令期の他項目も実施して判断してください。
③心理職・発達相談に関わっている人のための発達診断方法講座は、コチラ ↓
仕事を続けるために➁何をしていいかいいかわからないとき?「うちのオカンに聞いたろ」
あなたは、もう「障害児もそうでない子も基本的に同じすじ道を通って発達する」ということを知っています。だから何をしていいかわからない時は、障害児であっても誰もが受けてきた普通の教育でOKなんです。んっ?誰もが受けてきた?それって、「ボク」も受けてきたやつか?
「よっしゃ、うちのオカンが生きてるうちにきいたろ」
それでもいいのですが、一番確かなのは、保育所や幼稚園、小学校の先生に聞くのが一番です。で、あなたが運良く、そんなツテがあってとりあえず、ご近所の保育所や幼稚園を訪問したとします。
そしたらきっと聞かれます。
「何歳児の活動内容が知りたいですか?」
ええっ~!!
そうなんです。人間は、いくらビフテキに栄養があるからといって、乳児にビフテキは与えません。1歳児には1歳児の2歳児には2歳児の4歳児には、4歳児の保育内容があるのです。
「ど、どないしょ・・。担当の~君、何歳くらいの段階やろ、皆目検討つかん。では、またっ」となってしまいます。
結論-障害児にまずもって必要となる誰もが受けてきた普通の教育を保障するためには、発達の質が変化する時期で区切られる「発達段階」を把握しておくほうが便利なのです。
(続く)
仕事を続けるために①
#障害児 母親が大学の先生の所へ発達相談に「うちの子、今下痢しるんですよ」大学の先生「よかったですね。アレがつまると大変ですよ」こんな小話を昔、聞いたことがある。きっと、子どものいい所を見つけられる人は障害児の仕事に向いている。
— 発達&実践研究企画 (@BoJfvmRKTFgKHNN) 2021年4月7日
家だって土台が歪むと家が建たなくなります。なので、やっぱり第1ボタンが大事。
はじめて学校や福祉関係で障害児の仕事についた人たち。めちゃくちゃ不安やと思います。気持ちはわかります。しかし、ひとつだけ忘れたらあかん第1ボタンがあります。目の前の障害児は、私たちが支援する対象ですが、私と同じ時代を生きている仲間であるという、子どもについての対等・平等の見方です。どんな障害の重い子でも、どんなに奇抜な行動をする子も同じ人間という見方。この第1ボタンがズレると、色々、うまいこといかなくなって、子どもも、自分自身もだんだんしんどくなってきます。逆にこのボタンがちゃんと、とまっていたら大丈夫です。なぜなら、誰もが人として「長所もあれば、短所もある」「それがあたり前」と子どもに接することができるからです。だから、第1ボタンがしっかりしている人は、どんな子であっても、その子のいいところを見つけようと努力します。
第1ボタンがちゃんととまっている人は、次の主張もすんなり理解できるはずです。
「障害児もそうでない子も基本的に同じすじ道を通って発達する」(福祉の父 糸賀一雄)
実際のところ、ここでいう「基本的に同じ」が、自分のものにならないと、何をするか、どんな援助が必要か考える際の最初の手がかり失うことになります。
でも、これって今の時代、当たり前のことちゃう?
ところが、そうでない時代もあって、昔は「異常児の教育」とか「異常児心理」とかいわれていたのです。
そんな時代にあって、糸賀一雄は、自分の思いだけで「基本的同じ」といったのではありません。そこには、ちゃんとした障害児の発達を研究した結果、すなわち、理論的な根拠があったのです。
えっ、どんな根拠?
それは、このブログでおいおいわかります。
結論=もう一度繰り返します。子どものいいところをみつけけることが得意なあなたは、きっと障害児の仕事に向いていています。もし、あなたがこの仕事を続けるかどうゆらいでいるようでしたら、どうか、子どもの声を聞いてください。
「あなたに巡りあえて、私はしあわせです。なぜなら、あなたは、私のいいところをみつけてくれる大切な人だから・・」